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用語集:は行

ハーラー症候群 (Hurler syndrome)=ムコ多糖症(MPS-)IH型

リソソームの加水分解酵素であるα-イズロニダーゼの異常によって起きます。ムコ多糖症と総称される疾患の原型とも考えられる疾患です。生後1ヶ月ごろより、非特異的症候が出現し、2ヶ月ごろから前頭部の突出、鞍鼻(鼻筋がくぼんでいる)、巨舌などの特有の顔貌が観察されるようになります。乳児早期での骨髄移植、将来的には遺伝子治療が望まれます。なお、ムコ多糖症のI型には他にシャイエ症候群(MPS-IS型)があります。


ハイサンソ

帝人株式会社の吸着型酸素濃縮器で、家庭内で酸素吸入を行う(=在宅酸素療法)ための装置です。吸着型酸素濃縮器というのは、空気の成分の8割近くを占める窒素をゼオライトという吸着剤に吸着させて、酸素を高い濃度で含んだ空気を作り出す機械のことです。でかくて(3Lの場合36*37*64cm)うるさい(37dB)です。値段は不明ですが、診療報酬は5800点です。流量毎分2リットルの「TO-90-2L」、3リットルの「TO-90-3L」、5リットルの「TO-90-5N」、6リットルの「TO-90-6S」がラインナップされてます。このうち6Sだけが酸素濃度40%でそれ以外の機種は90%です。


バイトブロック (bite block)

不随意の運動で舌、口腔内などを噛んでしまうのを防ぐために歯にかぶせておくキャップ。まぁ、馬の「ハミ」と同じかも。ふーたんは舌が麻痺していて歯よりも外に出てしまうことが多く、緊張時にはその状態で強く噛み締めますから、舌を噛んでしまうことになります。実際、これで舌先がだんだんかみ切れて短くなってきたので、対策として歯の形に合わせて型どりしたシリコン製のキャップをかぶせることで、完全に門歯をかみ合わせることができないようにしました。緊張時の強い噛み締め、歯ぎしりの際も歯へ伝わる衝撃が緩衝されるので、本人も楽なようです。


ハイブリダイゼーション (hybridization)

遺伝子操作において、一本鎖のDNA、RNAを組み合わせることで、二本鎖分子のDNA-DNA、DNA-RNA、RNA-RNAを形成させることをいいます。cDNAを使って遺伝子を選択するときなどに使います。


白質脳症 (leukoencephalopathy)

白血病、ガンなどの経過として、あるいは免疫抑制療法中に免疫力低下の結果として脳障害が発生する病気で、原因はウィルス感染とみられています。脱髄がおきますが、急性の疾患ですから白質ジストロフィーではありません。


白血病 (leukemia)

白血球が無制限に増加し、造血、免疫などに障害を起こし、貧血、出血、易感染性などを症状とします。従来、抗ガン剤などによって症状を抑える治療が行われていましたが、骨髄移植の普及で治療法が大きく進歩しました。


バビンスキー反射 (Babinski reflex)

足の裏側をこすると、親指が反り返る、という反射です。錐体路に障害がある場合に表れる、代表的な病的反射です。幼児の場合、言葉で質問したり指示したりするのが難しいので、この各種の反射は診断の重要な目安になるみたいです。うちの娘も病院にいくたびに体中をたたいたり、こすったりされてました。「反射神経」というくらいだから、神経の異常で反射がなくなることがあっても、昂進することはなさそうですが、実はそうではなく、赤ちゃんの頃はほとんど反射で動いているのが、脳が発達して意識的な運動のコントロールができるようになってくると、これらの反射は消えていくのが正常です。刺激が神経と脳によって正常に処理されていない(どこかでショートしてしまっている)ため、これらの反射が生じるというわけです。従って、症状が進むと、いったん消失した反射が復活したりします。


パルスオキシメータ (Pulse Oxymeter)

 血液中の酸素濃度を測る装置です。LED(光源)と光センサーがセットになっていて、その二つで患者の指など細くて(薄くて)血管が通っているところを挟みます。「手のひらを太陽に」の感じです。センサーは特殊なスペクトルに反応するようになっていて、これで血液中のヘモグロビンがどれだけ酸素を捕まえているかがわかります。つまり、血液検査のように患者の身体を傷つけることのない、非侵襲性の検査、というわけです。 このセンサー(プローブ)の部分は小児の場合、使い捨てタイプが用いられます。家庭でも使える小型のものは15万円くらいからあります。(99.7.18)

 平成15年度からの特定疾患治療研究事業の見直しで、居宅生活支援事業の日常生活用具給付品目が追加され、パルスオキシメータ(動脈血中酸素飽和度測定器)の助成がはじまりました。ただし、実施は自治体によるようです。さっそく問い合わせたところ、新宿区ではダメでした。(2003/09/16)


ハンター症候群 (Hunter syndrome)=ムコ多糖症(MPS-)II型

リソソームの酵素であるイズロン酸2-スルファターゼ(IDS)の異常によって起こるX染色体連鎖劣性の先天性代謝異常症です。重症のものはハーラー病に似てやや軽症、軽症のものは知能障害があっても軽度で成人例が多く存在します。治療に当たってはKrivitが7例施行し、ハーラー病ほどの効果を認めていません。Krivitは3歳以下でIQ75以上の症例の場合の骨髄移植を推奨しています。


パンダ

小児用座位保持椅子、車椅子の製品名。かっこいいらしい。


ヒドロコルチゾン (hydrocortisone)

糖質副腎皮質ホルモンで、副腎皮質機能不全の代償療法に用いられるそうです。商品名コルチゾール。


ファイティング (fighting)

人工呼吸器をつけているといっても、患者に自発呼吸がないとは限りません。弱かったり、安定しないから人工呼吸器をつける場合もあるわけです。すると、人工呼吸器の吸気・排気のタイミングと自発呼吸のタイミングが合わないということが起きてくる可能性があるわけで、これがファイティングです。患者が息を吸おうと思っても、そのとき人工呼吸器が排気のタイミングだと、弁が閉じて空気はまったく入ってこないわけで、想像するだけでも苦しそうだ。


ファーバー病 (Farber disease)

 ファーバー病。酸性セラミダーゼの酵素欠損によってセラミドが以上蓄積する疾患です。


ファブリー病 (Fabry disease) 

ファブリー病。α-ガラクトシダーゼという酵素が欠損しているために、糖脂質セラミドトリヘキソシド(CTH)が蓄積するX染色体性遺伝病です。病因遺伝子変異は多様です。ヘミ接合体の男性に強い症状が出現し、四肢末端の疼痛、腎障害、血管障害などがあります。

 ファブリー病の酵素補充療法はすでに臨床治験が終わり、海外では26カ国で承認されていますが、国内ではまだであるため、患者の会を中心に陳情活動などが行われています。なお、治療薬については2社が独自に開発中です。このあたりの詳しい情報は「ファブリー病/患者と家族のホームページ」にあります。(2003/9/27)


ファンコニ症候群 (Fanconi syndrome)

主に腎性糖尿、蛋白尿、低リン血症などの症状を中心にした症候群で、原因はいろいろあるが、ぽぽさんによれば抗痙攣剤の副作用として起こることがあるらしい。この点については未確認。ある種の薬剤の副作用としておきることは確か。


フィーディングチューブ (feeding tube)

経管栄養補給(NG)の際に鼻から胃まで通して留置しておくチューブ。このチューブを使って液体状の食料を流し込む。1週間に1度か、2週間に1度程度の間隔で交換する。末端は鼻の穴から10〜15cmほど出た感じになり、普通それを絆創膏で頬に留めておく。この絆創膏が少しでも可愛い感じになるように、ミッキーの形にわざわざ切り抜いたりするおかあさんもいるそうです。うちはただのビニールテープで留めてます。これを最初に入れるときには、いかにも「重度」という感じでけっこう心理的抵抗があるんですが、状態に関係なく必要な栄養、水分を補給できる、寝ていても薬が入れられるなど、確かに便利な点が多いです。


フェニトイン (phenytoin)

てんかんの発作を予防する抗痙攣剤です。実際には大日本のアレビアチンという製品が使われています。


フェニルケトン尿症 (phenylketonuria)=PKU

フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)を造る遺伝子の異常によって起こるアミノ酸の代謝異常です。新生児のマススクリーニングの対象となっており、おそらく、先天性代謝異常症としてはもっとも一般に知られている疾患でないかと思いますが、実は民族、人種によって変異の種類や出現率が大きく違う疾患で、日本における発生頻度は、12万人に1人と、MLDより少ないです。だったら、MLDもマススクリーニングしてよ、といいたいところですが、治療法が確立されていないMLDと違って、フェニルケトン尿症は1953年にBickelが提唱した低フェニルアラニン食療法が著明な効果を発揮しており、おかげで、現在日本では「古典的なPKU特有の症状の典型例をみる機会はほとんどない『遺伝子病マニュアル』」そうです。MLDも早くこうなって欲しいですね。特有の症状というのは知能障害、難治性痙攣、脳波異常、赤毛などです。(2003/11/1)

→フェニルケトン尿症親の会 フェニルケトン尿症以外のアミノ酸代謝異常症の患者家族も参加

→北海道立衛生研究所/新生児スクリーニング


  • フェノバール (Phenobal)

    藤永-三共製のフェノバルビタール(phenobarbital)製剤。フェノバルビタールは、不眠、鎮静、抗てんかんなどに効く薬です。全身性強直間代発作、部分発作の予防に有効ですが、副作用として眠くなってしまう(意識のレベルが下がってしまう)ので、最近はフェニトインカルバマゼピンがメジャーになっているそうです。昔から睡眠薬、鎮静剤、抗不安薬としても使われてきましたが、こっちの方も最近はベンゾジアゼピン系の薬のようにもっと安全で使いやすい薬があるので出番がなく、言ってみれば時代遅れになってしまっているようです。しかし、たとえば楓子の場合、抗てんかん薬を予防の意味で飲む一方で、緊張を抑えるための薬にこれというものがなく、睡眠薬で眠らせて緊張をやり過ごしているという状況なので副作用が気にならない、というより、副作用も含めて、てんかん、筋弛緩、催眠の一石三鳥が期待できるかもということで使い始めてみました。しかし、同時に使い始めたデパケンがてんかん発作止めにけっこう効いており、デパケンとフェノバールの併用はあまりよくないこと、期待したほど筋弛緩、睡眠などの効果はなかったことなどから数ヶ月でやめました。似たような症状で使っている家もあります。


    フェノバルビタール (phenobarbital) →フェノバール


    4-phenylbutyrate:4PB

     4-フェニルブチレイト。もとももと鎌形赤血球性貧血や胃潰瘍に使われていた薬らしいが、Stephan Kempによって、近年、これがALDのVLCFAのレベルを低下させるのに有効であるという報告がなされました。臨床で利用するための研究が進められています。
    →X染色体性副腎白質ジストロフィーの治療法に関する国際会議報告


    副腎白質ジストロフィー (adrenoleukodystrophy=〈ALD〉)

    性染色体劣性のものと、常染色体劣性のものがあります。性染色体劣性のタイプ(X-ALD)は極長鎖脂肪酸(VLCFA)代謝の異常によって起こり、新生児ALDと呼ばれる後者はペルオキシソームに酵素障害があります。X染色体劣性遺伝のALDの原因は長鎖アシルCoAリガーゼの不足と長い間想定されており、酵素の精製と補充が行われてましたが、1993年にMosserらが原因遺伝子の同定によって、まったく別のタンパク質(ALDP)であることが判明しました。ALDの半数を占める小児ALDの場合、3〜10歳で発症し、情緒不安定、学業低下、難聴、視力障害、認知行動障害をおこし、痙攣、寝たきりへと進行します。治療法としては、骨髄移植が効果があるという報告があるのみですが、これについても長期的な観察を待つ段階です。なお、ALDは、患者の子供と家族を描いた「ロレンツォのオイル〜命の詩」という映画で知られ、この作品の中では「ロレンツォのオイル」があたかも特効薬のように描かれていますが、実際にはその効果については、現在でも意見が分かれている状態のようです。また、今年(1998)になって、新たにロバスタチンlovastatinという薬がロレンツォのオイル以上に効くという研究が発表されました。また4-フェニルブチレイトという薬も、ロレンツォ・オイル、ロバスタチンと同様にVLFCAのレベルを下げることができるという報告もあります。ただ、これらの薬によってVLFCAのレベルを下げることが、症状の改善に本当に寄与するかどうかは証明されていないのが現状です。なお、ALDは白質ジストロフィーの中で最も患者数の多い病気です。


    ブスルファン (Busulfan)

    タンジオールと2個のメタンスルホン酸のエーテル化合物。主に慢性骨髄性白血病に用います。末梢血及び骨髄における造血作用を抑制する働きがあります。


    プローブ (probe)

    遺伝子操作において、目的とするDNAまたはRNAを検出するために用いる、放射性同位元素で印をつけたDNAまたはRNAのことです。


    β-ガラクトシアリドーシス → β-ガラクトシダーゼ欠損症


    β-ガラクトシダーゼ欠損症 (β-galactosidase deficiency)

    β-ガラクトシダーゼという酵素の機能障害によって起きる疾患です。従来、GM1-ガングリオシドーシス、モルキオB型とされてきた疾患が含まれます。ムコ多糖症候群に似た症状になります。


    ベクター (vector)

    ここで言うのは特に遺伝子操作のためのベクター。遺伝子治療といっても、患者の体細胞の遺伝子を直接書き換えるのではなく、一般に、細菌のDNAを書き換えて必要な遺伝子を組み込み、それを患者の細胞に感染させて、期待される働きを行わせるという方法をとりますが、この遺伝子を運ぶ乗り物がベクターと呼ばれます。


    ヘテロ接合体 (heterozygote)

    異型接合体ともいいます。1の人間の遺伝子は、両親に由来する2つの遺伝子が組になっています。この場合、その2つがたまたま同じ内容である場合をホモ接合体と呼び、そうでない場合をヘテロ接合体と呼びます。最終的にどちらの遺伝子が使われるかは細胞ごとに決まり、その確率は1/2となります。といっても、どっちかに決めなきゃならん場合もあるわけで、その場合優先されるほうの遺伝子が「優性」ということになります。


    ペリツェウス・メルツバッハ病 (PMD=Pelizaeus-Merzbacher disease)

     遺伝性の脱髄疾患で、最新の研究では、ミエリンの主要タンパク成分であるPLP(proteolipid protein)を合成するための遺伝子の変異に原因がある 疾患で、ロイコ(白質)ジストロフィーのひとつです。発症時期などの違いでいくつかのタイプに分類されていますが、多いのは生後すぐ発症する先天型や、それよりは発症が遅いもののゼロ歳児の間に発症する古典型です。また、この二つのタイプは性染色体性劣性遺伝とされていますが、女性保因者の発症の可能性もあるようです。症状的には同じロイコジストロフィーである、MLD、Krabbe病などと共通する部分があります。発症頻度は、従来の医学書ではかなり低い(たとえば、ALDはもちろん、MLDよりさらに少ない)とされていますが、実際に患者同士で連絡を取り始めるとかなりの数が存在しており、少なくとも国内ではALDに次ぐ数になるのではないかと個人的には想像しています。(2003/10/17)

    →Smile & Kick ペリツェウス・メルツバッハ病患者のまとめ役、ドナっ子ファミリーのページ


    ペルオキシソーム (peroxisome)

    細胞内の小器官で酸化反応による過酸化物の産生と分解に関与します。ペルオキシソーム自体の先天性欠損に基づくペルオキシソーム欠損症としてZellweger症候群Rufsum病などがありますが、その他、このペルオキシソームで活動する酵素の欠損による疾患を「ペルオキシソーム病」と総称することがあります。たとえばALD(副腎白質ジストロフィー)がそうです。


    ベンゾジアゼピン誘導体 (benzodiazepine derivative〈BZD〉)

    ンゾジアゼピン骨格をもつ一連の催眠、鎮静剤の総称です。たとえば有名な?ハルシオンがそうです。


    ボイタ法 (Vojta method)

    チェコの小児神経学者ボイタの提唱した脳性麻痺訓練法です。人間の運動の基本パターンは寝返りとハイハイにあるとして、圧迫刺激によってこれらの運動を引き出すことを基本とします。脳性麻痺、特に緊張に強いタイプに効果があるとされる訓練法です。脳性麻痺以外の疾患でも緊張が強いタイプのものには効果が期待できるため、MLDという診断が降りる前に対症療法として採用される可能性があります(山口由莉子ちゃんの場合)。また、MLD患者の場合にも緊張の軽減などを目的に行う場合もあるようです(対馬兄弟の例)。詳しく勉強したわけではないのですが、ボイタ法はかなりスパルタというイメージがあり、進行性の疾患で、しかもストレスが病気の進行に直結すると考えられるMLDの場合、どこまでメリットがあるか難しいところではないかと思います。対馬兄弟の場合も、完全なボイタ法ではなく、それをマイルドにアレンジしたものだったということです。


    保因者 (carrier)

    劣性遺伝の遺伝病の場合、両親から受け継ぐ1組の遺伝子のいずれか一方に問題があっても、発症しません。この問題の因子を遺伝子として受け継ぎながら、正常な生活を送ることができる人を保因者と呼びます。MLDの保因者の場合、アリルスルファターゼAの量(ASA活性)は正常対照と発症者のちょうど中間になります。しかし、乱暴な言い方をすると、アリルスルファターゼAの必要量は正常の人間の半分程度で十分なので、日常生活に問題ないわけです。なお、統計的には、保因者であっても、正常な人の中でASA活性値が低いより人よりもむしろASA活性値が高い人、ほとんど発症者と同じレベルの人がいます。私の受けた説明では、ASA活性値が50以上あれば問題なし、20以下だと発症、正常値は100ということで、楓子の場合、患者本人は12.6、両親、妹は60〜70です。


    発作重積状態 (status epilepticus)

    /てんかん発作が繰り返し、長時間にわたって続く状態です。MLD患者は脳障害の影響か、短時間の小/発作を起こしますが、これが長時間(たとえば10分以上)続くようだと身体の負担が非常に大きくなって危険です。楓子の場合、3度ほどこれを起こして病院の救急外来に駆け込みました。病院では脳波をチェックしながらジアゼパム(ダイアップなど)を静脈注射して発作を押さえます。MLD患者の日常的な心配の種としては誤飲・誤嚥に並ぶものだといえるでしょう。


    ボツリヌス毒素 (botulinum toxin)

    ボツリヌス食中毒の病原体。神経毒によって弛緩性麻痺を起こすわけですが、それを利用して筋弛緩剤として白質ジストロフィー患者の筋緊張を解くのに使おうという研究もされているようです。


    ホモ接合体 (homozygote)

    同型接合体ともいいます。1の人間の遺伝子は、両親に由来する2つの遺伝子が組になっています。この場合、その2つがたまたま同じ内容である場合をホモ接合体と呼び、そうでない場合をヘテロ接合体と呼びます。最終的にどちらの遺伝子が使われるかは細胞ごとに決まり、その確率は1/2となりますが、ホモ接合体の場合は、1種類の遺伝子しかないので、必ずその内容が反映されます。


    ポリペプチド (polypeptid)

    2個またはそれ以上のα-アミノ酸が,ペプチド結合によって連なったものをペプチドと呼びます。アミノ酸が2個ならジペプチド、3個ならトリペプチド、それ以上で比較的少数のものはオリゴペプチド、多数のものはポリペプチドです。


    ポンペ病 (Pompe disease)

    酸性マルターゼ欠損症、α-グルコシダーゼ欠損症、糖原病(グリコーゲン病)II型 とも呼ばれます。全身の組織細胞で、α-グルコシダーゼという酵素が欠損する結果、グリコーゲンが蓄積して障害がおきます。常染色体性劣性遺伝の遺伝子病で、 ライソゾーム病として最初に発見されました。幼児型、小児型、成人型があり、いずれも筋力低下などの症状が出ます。α-グルコシダーゼの欠損の原因となる遺伝子変異には多くのバリエーションがあり、また、この疾患を疑われている患者の家族の報告でも、 発病の形態は多岐にわたるということです。治療法は確立されていませんが、 米国やヨーロッパでは酵素補充療法のための合成酵素が臨床試験の段階に入っているということです。ただし、国内での治験の開始まではまだ数年はかかる見込みです。(2001/10/15)



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