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用語集:あ行

アイカルディ症候群(Aicardi syndrome) 

脳梁無形性、点頭てんかん、網脈絡膜空洞などの特徴がある先天性疾患。国内では12例が報告されている(1990,山形)。白質ジストロフィーのAicardi-Goutiere症候群とはまったく別のものです。


アイカルディ・ゴーシェ症候群(Aicardi-Goutiere syndrome) 

非常に稀少で世界でも数例しか報告されていない白質ジストロフィー。1984年にはじめて報告された、生後1年以内に発症する進行性の中枢神経疾患。常染色体劣性遺伝(らしい)。あまりまだ実態が解明されていない。


IVH (intravenous hyperalimentation)

高カロリー輸液法のこと。中心静脈にカテーテルを留置して、栄養液を流し込む方法です。つまり、食事を消化器を通さず、直接血管に入れるわけです。便利といえば便利なわけですが、「食べる」という人間の基本的な営みを奪うという意味では、経管栄養の比ではないので、親としては抵抗ありますね。


アジソン病 (Addison disease)

慢性副腎皮質不全症、原発性副腎皮質機能低下症、副腎性黒皮症。副腎の機能不全による副腎ステロイドの合成・分泌不全の病態を広く指す病名らしく、病因はさまざまなようだが、ALD患者のうち、副腎の障害だけが起きるタイプ(つまり脳神経の障害が顕著でないということか?)も、こう分類されるらしい。


アデノウイルス (adenovirus)

人間や動物に広く蔓延しているウイルスの仲間です。結膜炎などを起こします。遺伝子治療といっても、直接人間の体細胞の遺伝子を書き換えるのではなく、ベクターと呼ばれる形で増殖させてから体内に導入します。遺伝子治療のベクターとして一般的なのはレトロウイルスベクターです。しかし、MLDで問題となる中枢神経細胞にはレトロウイルスは感染させにくい。そこでアデノウイルスベクターを使うわけです。


アデノシンデアミナーゼ欠損症 (adenosine deaminase deficiency)

ADA欠損症は、ADAの欠損によって血液中の白血球が破壊される疾患です。世界最初の遺伝子治療の対象として注目されました。しかし、遺伝子治療と同時期に、ウシの酵素を処理したPEG-ADA(ポリエチレン・グリコールADA)を患者に注射するという治療法が試されており、現在ではその効果が認められています。従って、臨床では両方の治療が併用されており、遺伝子治療のみの効果は明確ではありません。なお、97年に北大がこのADA欠損症の遺伝子治療を成功させました。しかし、聞くところによると、これは米国ですでに行われている治療のノウハウをそのままもってきただけ(だからこそ倫理委員会のチェックを簡単にクリアできた)だということです。日本はむしろDNA解析の自動化に力点が置かれて、臨床的な取り組みは遅れているという印象です。


アリルスルファターゼA (arylsulfatase A)

略してASA。ライソゾームに存在する酵素です。MLDの症状が、この酵素の不足によって起こることは1963年にAustinの研究で発見されました。アリルスルファターゼは、硫酸基を分解する酵素で、この酵素を作るための遺伝子は染色体上では22q13にあります。MLD患者の場合、この酵素の欠損により、スルファチド、セラミドジヘキソシド(CDH)-硫酸などの硫酸基を含む脂質が分解されず、各組織に蓄積します。


α-ガラクトシダーゼ (α-galactosidase)

α-D-ガラクトシダーゼは糖脂質、糖蛋白質の糖鎖の非還元末端のα-ガラクトシド結合を加水分解する酵素で、その遺伝的欠損がFabry病です。1999年秋に、これを使った酵素補充療法?の臨床試験が始まる予定です。


α-グルコシダーゼ欠損症(α-glycogen storage disease type2) → ポンペ病


アルファロール(Alfaro)

アルファカルシドールの商品名(中外)。要するにビタミンDです。 寝たきりになると、どうしても骨が弱くなりがちなので飲んだりします。


アレキサンダー病(Alexander disease)

アレキサンダー病。ミエリンの遺伝性代謝疾患ですが、病理上は白質ジストロフィーに分類されます。常染色体劣性遺伝性ですが、病因はまだ解明されていません。


アレビアチン (Aleviatin)

フェニトイン(PHT)を大日本製薬が商品化したもので、抗痙攣剤、抗てんかん発作剤です。身性強直間代発作(大発作)、部分発作の予防に有効。欠神発作(小発作)、ミオクロニー発作には効果がないとされています。投与量があるレベルを超えると急に血中濃度が高くなるため、血中濃度を調べながら適正量を調べる必要があります。長期使用によって容貌に悪影響があるため、女の子には長期間使わないことになってます。楓子は使ったことはありませんが、MLD患者の間ではデパケンに次いでメジャーな抗痙攣剤です。


アレル (allele)

対立遺伝子。両親からそれぞれ受け継いだDNAの同じ場所にあたる遺伝子が違った発現形式をもっている場合、それを対立遺伝子と呼びます。と、医学辞典には書いてあるのですが、なんか医学書を読んでいると、一対の遺伝子をそれぞれ区別して扱うときに、単にそれをアレルと呼んでいるような気がします。


アンヒバ (Anhiba)

アセトアミノフェン(acetaminophen)の商品名(北陸)です。座薬になっている小児用の解熱剤です。最近の楓子はちょっとしたきっかけで体温が上がりはじめ、体温調節がうまくできないためすぐに38度を突破してしまいます。38度以上になると、てんかんの大発作の引き金になる可能性が高いので、その前にまず水枕などで冷やし、それでもだめならこのアンヒバやアルビニーを使って解熱します。


アンビューバッグ (Ambu resuscitator)

ゴムのバッグと弁、マスクを組み合わせた人工呼吸器。スウェーデンのAmbu社が開発した。ゴムの部分をポンプの要領で握ったり離したりすることで、肺の中に空気を入れる。マスクの代わりに気管挿入チューブを接続したり、バッグの空気吸い込み口に高濃度酸素を接続したりすることもできる。


異染性(metachromatic)

異染性とは、顕微鏡検査用に着色された試料(組織や細胞)が、染料とは違う色を示す色を示すことを意味します。MLDの場合、白質、腎臓、尿沈殿物を偏光顕微鏡で見るとスルファチド(Galactoshingosulfatides)が明らかに異染性を示します。これは、実際のMLDの診断の際にも利用されます。


異染性白質ジストロフィー (metachromatic leukodystrophy MLD)

 主にライソゾーム内で働く酵素、アリルスルファターゼAの遺伝的欠損によって、脳内にスルファチドという脂質が蓄積し、脳白質がしだいに壊されていく疾患で、白質ジストロフィーの一種です。


遺伝子 (gene)

遺伝子とは親から子へと伝えられる遺伝形質を伝えるものです。子供が親に似るのは、両親からそれぞれ1セットの遺伝子を受け継いでいるからに他なりません。物質的な実体としてはDNAが遺伝情報を運んでおり、このDNA上の、ある特定の遺伝形質を伝える単位が、厳密な意味での遺伝子です。つまり、遺伝子は特定の意味(情報)を持った、DNAの一部分です。


遺伝相談 (genetic counseling)

遺伝病は患者本人だけの問題に終わらない可能性があり、また、リスクを理解するにはメンデルの法則など遺伝の基礎知識が必要なこと、社会的な偏見が存在することなどの問題があり、訓練されたカウンセラーによってカウンセリングが行われることになっています。これには患者と家族を精神的に救済するという面と、遺伝病患者を増やさないという優生学的な側面の両方があるのでしょう。我が家の場合、主治医からMLDという診断があった段階では、すでにMLDの遺伝的な意味はほとんど理解していたこともあって、特に遺伝相談というのはありませんでした(※東京女子医大の小児科の場合、「遺伝相談」という診療科目は存在している)。


イントロン (intron)

介在配列。DNAの中で蛋白質を作ったり、それに命令したりするための情報が書き込まれている部分以外の部分。ここには遺伝子情報が書き込まれていないが、全然無意味かというとそうでもないらしいがよくわかっていない。


ウィルソン病 (Wilson disease)

脳や肝臓に銅が異常蓄積する代謝異常症。体内で銅を輸送、排泄するための蛋白質の異常によって起きる、遺伝性銅代謝異常の代表的疾患です。銅の少ない食事と共に、薬物治療を行います。


ウェスト症候群 (West syndrome)

点頭てんかんのことです。乳児期に発症し、得意な発作型と脳波を示します。


ウェルドニッヒ・ホフマン病 (Werdnig-Hoffmann disease)

脊髄性筋萎縮症 (spinal muscular atrophy <SMA>)の一種。SMAは I型がウェルドニッヒ・ホフマン病、II型が中間型、III型がクーゲルベルグ・ヴェランダー病になります。このうち、ウェルドニッヒ・ホフマンは脊髄性進行性筋萎縮症(spinal progressive muscular atrophy〈SPA〉)の一種であり、SPAにはALSの一部も含まれます。第5番染色体に異常のある遺伝病です。

→SMA(脊髄性筋萎縮症)家族の会


HLA型、HLA抗原(HLA antigen) →HLA型、HLA抗原(HLA antigen)


ASA活性測定値 →ASA活性測定値


AMN (AdrenoMyeloNeuropathy) 

ALDの成人型。思春期以降に痙性麻痺が発症します。小児型ALDに比べて進行はゆるやか。最新の調査によれば、性染色体劣性の男性ALD患者の50%がこのタイプであり、言い換えれば、白質ジストロフィーの中で最も症例の多いタイプということになりますね。ULFのサイトではAMN患者によるチャット・ルームが開催されています。


ALS / 筋萎縮性側索硬化症 →ALS  (amyotrophic lateral sclerosis)


ATG (anti-thymocyte globulin) →ATG / 抗胸腺細胞グロブリン


エクソン(exon)

DNAには蛋白質の設計書、仕様書にあたる部分であるエクソンと、なんかよくわからないが、遺伝子情報をもっているわけではないらしい部分、つまりイントロンが交互に混じり合ったまだらの紐のようになっています。


エスクレ(Escre)

飽水クロラールの商品名(エスエス製薬)で座薬です。催眠薬で、すぐに効果があらわれるので、検査の際に子どもを眠らせるのにも使われるようです。一般に抗痙攣剤や抗てんかん剤そのものに鎮静効果、催眠効果があるはずなのですが、たとえば楓子の場合には眠くなってくると(精神の活動レベルが下がってくると)かえって上肢の不随意運動が活発化し、これが不快で眠れない、という悪循環になってしまいます。しかし、ほんとうに調子が悪く、抗痙攣剤が許容量いっぱいで使えないときなどは、睡眠薬で無理矢理深く眠らせて緊張をやりすごす、ということもしました。現時点ではあまり緊張が強くないので、睡眠薬の使用はそれほど頻繁ではありません。(2001/10/07)


FDA (Food and Drug Administration)  →FDA


MRI (Magnetic Resonance Iimaging →MRI


MSD (Multiple Sulfatase Deficiency) →MSD


エリプロディル(eliprodil)

ミエリン再生を助けるという研究が発表された薬。1999年末現在、まだ詳細は不明。


エンシュア・リキッド(Ensure liquid)

明治乳業が製造する、経口栄養剤。要するに、人間に必要な栄養素がバランスよく配合された飲み物で、これだけ飲んでいれば、とりあえず生きていけるというもの。といっても、生き物というのはそう、単純なものではないので、やはり普通の食事を少しでも混ぜていかないと、だんだん弱っていってしまうということです。見た目は豆乳みたいな感じです。


オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症=OTCD (ornithine transcarbamylase deficiency)

尿素合成に関与するオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)という酵素の欠損によっておこるアミノ酸代謝異常です。日本での発症率は1/80,000と推定されています。放置すると体内にアンモニアが蓄積し、高アンモニア血症の発作を起こしたりしますが、食餌療法や薬物の投与で発症は抑えられるようです。


オンディーヌ症候群(Ondine's curse syndrome)

原発性(肺胞)低換気症候群。


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